ハイドン・フィルハーモニーのフルート、イムレ・コバーチュさんは、ハンガリー国立交響楽団の主席奏者も勤める、ハンガリー国内でも有数のフルート奏者です。フルートの才能だけでなく、困難に打ち勝つ勇気の持ち主でもあります。10年ほど前に、イムレ・コバーチュさんは所属するウインド・アンサンブルのメンバーとともに、スペイン公演を行いました。彼らが郊外を散歩しているとき、無謀なドライバーの運転する車が突っ込み、メンバー数名を跳ね飛ばしました。一人は死亡し、一人は片足を失う大事故でした。イムレ・コバーチュさんも重傷を負い、3ヶ月間スペインの病院に入院しました。当時彼はスペイン語はまったく話さなかったので、とても心細く、大変だったと思います。しかし彼は入院中に独力でスペイン語を勉強し、困難に打ち勝ちました。また、事故のために管楽器奏者にとって重要な歯を失ってしまいましたが、決してくじけることなく努力を続け、3年後には見事にカムバックしました。
この事故のせいで彼はハイドン・フィルハーモニーの結成コンサートに参加できませんでしたが、唯一スペイン語の話せるメンバーとして、95年のハンガリー国立響のスペイン公演では、同僚を助けて大活躍でした。
イムレ・コバーチュさんの演奏は、ハンガリー国立響の「真夏の夜の夢」序曲の有名なソロを始め、ハイドン・フィルハーモニーの多くのCDで聞くことができます。
(05/01/97)