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第2回マンハイム・モーツァルト週間
12月3日と4日には、フィッシャーさんが主任指揮者を勤めるもう一つのオーケストラ、デンマーク・ラジオシンフォニエッタの客演で、モーツァルトが14歳の時に作曲したオペラ"Mitridate, re di ponto"のコンチェルタンテ上演でした。地元コペンハーゲンの定期演奏会では10月に既にこの曲を取り上げており、CD録音を予定しています。デンマークで活躍中のソリストとも息が合って、珍しい作品ながら美しいアリアを十分に堪能できました。 翌5日には、フィッシャーさんの今シーズンのマンハイム国立劇場初仕事である、新製作「皇帝ティトの慈悲」がプレミア上演されました。演出は「ドン・ジョバンニ」や「イドメネオ」を製作した、マティアス・ショーンフェルトが担当しました。アイゼンシュタットでも「騎士オルランド」などを製作し、フィッシャーさんとも旧知の仲のショーンフェルトは、演奏側の希望も考慮した斬新な演出で知られています。今回は本物のトラをステージに持ち込む力作で、喝采を誘いました。 12月6日のマンハイム国立劇場オケとチェチリア・バルトリとのコンサートでは、フィッシャーさんは指揮のみならず、伴奏ピアニストとしても活躍しました。世界的大スターと地元オケの共演ということで、満員のお客さんは熱狂的な拍手で何度もアンコールをリクエストしていました。 最終日の12月8日には、昨年製作された「イドメネオ」が再演されました。終演後は劇場ロビーにてキャンドルライト・ディナーが催され、満員の聴衆は余韻を味わいました。 今回は6日間に5公演というハードスケジュールだったフィッシャーさんですが、2003年は更に充実し、11月30日から12月7日までの期間中に、デンマーク・ラジオ・シンフォニエッタの客演も含め、6公演に登場する予定です。 コンサート・レポートの先頭に戻る
チューリッヒオペラ、「ドン・カルロ」
この作品は「オテロ」と並んで、フィッシャーさんのヴェルディ・レパートリーの中心です。4幕全てを暗譜で振るほど熟知しており、フィッシャーさん自身も好きなオペラの一つです。 フィッシャーさんは、11月の「ドン・カルト」3公演に加えて、12月にはチェチリア・バルトリと共演した「チェネレントラ」の4公演でチューリッヒを沸かせました。 コンサート・レポートの先頭に戻る
ウイーン国立歌劇場「薔薇の騎士」他
リヒャルト・シュトラウスの「薔薇の騎士」は昨シーズンマンハイムでも上演していますが、本場ウイーンでは伝統的な演出ながら、児童合唱など多少のカットがありました。9月24日の配役は、元帥夫人にインガ・ニールセン、オックス男爵はベテランのワルター・フィンク、オクタビアンにはこの役に定評のあるアンゲリカ・キルヒシュレーガー、ゾフィーにはジュリアンネ・バンセなど、ウイーンでも人気の高い歌手が起用されました。この他ヴァルザッチのヘルムート・ヴィルドハバーやマンハイムでもお馴染みのダニエラ・デンシュラーグがアニーナを歌うなど、フィッシャーさんと共演回数の多い歌手が脇役を固めました。 今回ウイーンで指揮するに当たって、フィッシャーさんは特別にカルロス・クライバーの秘密のビデオテープを入手して、十分に研究した結果、歌手をサポートするだけでなく、真のウイーン風の響きをオーケストラから引き出していました。高品質の公演に聴衆は大満足、日ごろ指揮者には厳しいウイーン国立歌劇場管弦楽団のメンバーも喝采を惜しまない、素晴らしい公演となりました。 「薔薇の騎士」の後の「ニーベルングの指輪」4作は、ウイーンの記者がこぞって絶賛する大成功でした。クーリエ紙など、「バイロイトで成功した指揮者アダム・フィッシャーは、ここウイーンでは理想的な指揮者である。」とフィッシャーさんの指揮とオーケストラの奏でる音楽を特に褒め称えました。国立歌劇場自身も大満足で、独自に出版している雑誌「プロローグ」にフィッシャーさんとのインタビューを掲載したり、ホームページで大成功の批評をとして伝えていました。 フィッシャーさんはウイーンではイタリア物の指揮者として知られていましたが、最近のドイツ物の成功で一段と評価を上げました。他の劇場で成功した指揮者を連れてくる場合が多い中で、ここのコレペティトァとしてキャリアを始めたフィッシャーさんは、数少ないウイーン国立歌劇場が育たマエストロとして、ウイーンの聴衆の支持を集めているようです。 コンサート・レポートの先頭に戻る
斬新なアイディアの"La Vera Costanza"
今年のオペラは、1779年に初演された"La vera costanza"で、勿論、フィッシャーさん指揮のハイドンフィルハーモニーが伴奏を担当しました。演出のフィリップ・ヒンメルマンが(マンハイムの「青髭公の城」)以下、マンハイムで活躍している歌手も複数出演しました。 あらすじ:エリッコ男爵と漁師の娘ロジーナは数年前に周囲に秘密で結婚しましたが、その後二人の間に子供が出来たことに気づかぬうちに、男爵はロジーナの元を去ってしまいました。男爵の叔母イレーネとその愛人エルネストは、身分地違いの二人の恋愛を終わらせるため、ロジーナと農夫のヴィロットを結婚させようとします。イレーネのメイド、リゼッタはロジーナの弟で、唯一事実を知っているマジーノに気があります。 イレーネ一行を乗せた船が嵐に遭い、ロジーナロジーナの家の近くに座礁すると、偶然エリッコ男爵が通りかかります。一度はロジーナを捨てたものの、ヴィロットがロジーナと結婚したがっているという知らせに男爵は激怒します。でも、イレーネの示す結婚相手の写真にも興味を示します。不運にもその場に現れたロジーナはショックをうけ、逃げてしまいます。マジーノとリゼッタは終始心変わりする男爵とロジーナを取り成しますが、勘違いしたイレーネはロジーナの不実を糾弾し、ロジーナは死を決意します。最後はロジーナの秘密が明かされ、男爵は息子がいることを始めて知ります。事情を理解した残りの二つのカップルも男爵とロジーナを祝福します。 原作は3幕で構成されますが、今回の公演は大幅にカットして1幕で上演し、ストーリーは全て結婚式のバーティーの一部として進行しました。前奏曲は、聴衆が着席するまえに、まずチェンバロソロと弦楽四重奏で演奏され、バーティーに参加したフィッシャーが、後にオーケストラに加わり、歌手達が登場人物に変身するという、ちょっと変わった趣向でした。実際に結婚式にも使われるハイドンザールの特徴を生かしたアイディアは効果的で、聴衆も招待客として展開する物語の一部になったような錯覚を覚えるほどでした。 オリジナルの物語の背景や人間関係が複雑で、予備知識無しでは理解しにくく、一部演出が意味不明という意見もある反面、「オルランド・パラディノ」以来の高品質な製作と誉める人もいました。しかしながら、フィッシャーさんを中心とした音楽は素晴らしく、批評家、一般聴衆とも高く評価していました。 コンサート・レポートの先頭に戻る
ハイドンとシューベルトの交響曲
毎年最も人気が高く、チケットも早々と売切れてしまう最終日のマチネーは、今年から午前11時と午後3時半の2回に増えました。今回のプログラムはシューベルトの長大な交響曲「ザ・グレイト」とハイドンの交響曲93番。過去、ハイドンフィルはロザムンデ間奏曲やロンドなどのシューベルト作品を演奏していますが、交響曲は初挑戦です。とりわけ「グレイト」は1時間を越える長大な作品で、下手をすると冗長になってしまいます。今回フィッシャーさんは幾つかの繰り返しをカットし、適度な長さでダイナミックな演奏を聞かせてくれました。フィッシャーさん特有のバランスを重視した音作りで、第二楽章の美しいメロディが特に印象的でした。 休憩後はハイドン交響曲、ロンドンセットの最初の93番です。ユーモアに富んだハイドンは、第2楽章にバスーンのソロを入れましたが、フィッシャーさんはさらにコントラバスの低音のトレモロも加えて、雰囲気を出していました。お得意のハイドンということで、オーケストラも全体的にのびのびと演奏していました。 音楽祭を締めくくるフィッシャーさんの挨拶に続いて、恒例のアンコール、告別交響曲の第4楽章アダージョを一人一人立ち去りながら演奏し、今年のハイドンターゲの幕を閉じました。 来年、フィッシャーさんとハイドンフィルは、残念ながらオペラは担当せず、「ハルモニアミサ」と2回の最終マチネーに出演する予定です。 コンサート・レポートの先頭に戻る
ゴールドマルクのオペラ「シバの女王」
ストーリーは、ソロモン王を訪ねるシバの女王と、婚約者がいるにもかかわらず、女王の誘惑に負けてしまう兵士アサッドの悲劇で、ソロモン王により追放されたアサッドは最後には女王の誘惑に打ち勝ち、婚約者スラミットの腕の中で息絶えます。 中東の宮殿を模した舞台の中央には、聖なる泉が置かれ、中からシバの女王が登場するなど、冒頭は独創的でしたが、第一幕から第4幕の砂漠のオアシスの場面まで、舞台が変わらないのは不自然で、若干単調な印象が残りました。 音楽的には、途中のバレエがカットされたのは少し残念でしたが、シバの女王役のミカエラ・シュスター、アサッド役のミハイル・アガフォノフともに素晴らしく、女王の怪しい美しさと、翻弄される若者を演じていました。フィッシャーさん指揮のナショナルテアター・オーケストラも勿論素晴らしく、忘れたれた名作の上演を成功に導きました。 ドイツの多くの新聞や雑誌も注目した公演は、おおむね好評で、作品とともに、高品質な音楽を高く評価していました。フィッシャーさんとナショナルテアター・マンハイムは、来年3月のブダペスト春の音楽祭に、この「シバの女王」で客演する予定です。
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バイロイト・イン・ブダペスト−ハイドンフィル、ワーグナーに挑戦
このコンサートは、ハンガリー出身の初代バイロイト指揮者、ハンス・リヒターを記念したもので、バイロイト・イン・ブダペストと題し、リオバ・ブラウン、エンドリク・ウォトリッチ、フィリップ・カンの現役バイロイト出演者3人をソリストに迎えて行いました。 休憩の後はメインのコンサート形式「ワルキューレ」第一幕です。弦楽器だけでも40人、三管編成の管楽器にワグネルチューバやハープなど総勢80人近いオーケストラのメンバーが、リスト音楽院のステージに登場すると、満員の観客から喝采が沸きました。ハイドンフィル初のワーグナーということで、通常のメンバーに加えて、ブダペスト・オペラからのエキストラを加えたため、リハーサルではアンサンブルに多少の不安がありましたが、コンサートマスター、ライナー・ホネックを中心に、本番ではフィッシャーさんのエキサイティングなワーグナーを好演しました。 嵐のシーンの劇的なコントラバスに始まり、徐々に緊張感を盛り上げていくフィッシャーさんの手法は、バイロイトでも定評がありますが、舞台の制約 がなく、テンボなども自由自在に変化をつけて、よりダイナミックで効果的でした。ソリストの中では、とりわけフンディングのフィリップ・カンに迫力があり、緊張感を盛り上げていました。叙情的なブラウンのジークリンデも好評でしたが、ジークムントのウォトリッチは若干迫力に欠け、時にはオーケストラの協奏に負けてしまうこともありました。オーケストラの管楽器はもちろん華やかに活躍しましたが、音楽の表情を形作る弦楽器群が素晴らしく、ハイドンフィルの実力を物語っていました。 ハンガリーのワグネリアンも大喝采で、終演後は多くのブラボーが飛び交いました。 コンサート・レポートの先頭に戻る
ハイドンフィル「天地創造」演奏会
3月30日のブダペストの演奏会は、毎年恒例春の音楽祭の一環として、ドナウ河沿いのコンサートホール、ヴィガドーで開催されました。ブダペスト春の音楽祭は、プラハの春と並んで中欧で最大の音楽祭で、期間中にはクラシックだけでなくジャズなどの演奏会も開かれます。3月30日の「天地創造」の演奏会は復活祭の休暇に重なり、ヨーロッパ各地や遠くは日本からの観光客で満員の盛況でした。 ハイドンの代表作「天地創造」は聖書の創世記と英国の文豪ミルトンの「失楽園」をもとにした作品で、創造の初日から4日目までを描いた第一部、5日目から6日目までの第二部、アダムとイブによる神の創造の称賛の第三部から構成されています。今回の演奏会は途中に休憩を入れず、1時間半近い作品を一気に演奏しました。 合唱団は2年前や昨年夏のロンドン・ニューヨーク・ツアーの「四季」で共演したウイーン・ジングアカデミーが担当し、オーケストラと息の合った熱唱を聴かせてくれました。ピアニッシモのマイスターとも呼ばれるフィッシャーさんは、とても美しい"Und Gott sprach : Es werde Licht"の後、"und es ward Licht"をフォルテッシモで強奏するなど、お得意の強弱、緩急自在の演奏で、終演後の大喝采を誘いました。この演奏会の模様は、ハンガリーのラジオ局により、生中継されました。 同じプログラムの演奏会は、4月14日に、ウイーンのコクツェルトハウスでも開催されました。こちらはコンツェルトハウス主催で、ジングアカデミーの出演する合唱定期公演の一環でした。ソロのディアナ・ダマルー、ウェルナー・ジュラと急遽交代したウォルフガング・バンクルも好調で、終演後はカーテンコールが何度も続きました。 今後のハイドンフィルの演奏会は、5月19日にブダペストのリスト音楽院で、ハイドンの交響曲第44番と、ワーグナーのワルキューレ第一幕のコンサートスタイル公演が予定されています。また、9月には恒例のハイドンターゲで、オペラ「ラ・ヴェラ・コスタンザ」やハイドンの合唱コンサート、ファイナル・マチネーなどに登場します。 コンサート・レポートの先頭に戻る
マンハイム&バンベルグでのコンサートこの1月以来特にオペラが多く、フィッシャーさんのコンサートは少なくなってしまいましたが、マンハイム・アカデミー・オーケストラの1月14日と15日の定期公演では、バルトークのヴァイオリン協奏曲第2番とブラームスの交響曲第4番等を指揮しました。フランク・ペーター・ツィンマーマンを迎えた協奏曲は、超絶技巧のソロをオーケストラが十分にサボートし、緊迫した公演でした。協奏曲の後には、ツィンマーマンが驚異的な技術を駆使した変奏曲をアンコールとして演奏し、聴衆の大喝采を誘いました。 休憩後のブラームス交響曲4番は、意外なことにフィッシャーさんにはになじみが薄く、8年ぶりの演奏でした。全体的に少し硬い感じしたが、有名な第三楽章の管楽器の美しさが特に印象的でした。 また、4月21日にはドイツの名門バンベルグ交響楽団との共演で、マーラーの交響曲第6番を指揮しました。昨年10月のマンハイム以来今シーズン2回目の演奏で、所々に工夫が見られました。3回のハンマーはなんと火薬を使い、銃声のような音を出して、英雄の戦いと死を表現していました。3度目のハンマーをマーラーの指定よりも数小節遅らせるなど独自性も発揮し、最終小節まで緊張感の持続した、好演でした。 コンサート・レポートの先頭に戻る
ウイーン国立歌劇場1月、2月公演客演
フィッシャーさんにとってウイーン国立歌劇場の「カヴァレリア」&「バリアッチ」はお馴染みの作品で、過去にはプラシド・ドミンゴとも客演しています。今回はアルゼンチン出身の人気テナー、ホセ・クーラが「パリアッチ」のカニオ役を歌うということで前評判も高い公演でした。本来クーラはこの公演でカニオ役ウイーン・デビューのはずだったのですが、昨年夏にドミンゴが急病でキャンセルした時に、急遽代役を務めた曰くがあります。人気歌手クーラの歌う「衣裳をつけろ」は予想通り、大喝采を浴びました。 2月の「フィガロの結婚」は、韓国人バス、クワンチュル・ユン(フィガロ)と、テノールのミヒャエル・フォレ(アルマヴィーヴァ男爵)のウイーン・デビュー公演となりました。ジャン・ピエール・ポネル演出の定番レパートリー公演で、オペラ・ブッファの伝統に従った2幕形式(ニューヨークのメトなど、4幕形式で上演する場合もある)で、舞台装置、衣裳など全体的に保守的な演出は、モーツァルトの生活したウイーンの伝統を受け継ぎ、オペラの王道といった印象でした。小柄でコミカルなユンと、背が高くハンサムで嫉妬深い男爵のフォレのやり取りも楽しいものでしたが、男爵夫人のリカルダ・メルベスやジュジャンナのタチアナ・リスニッチ、ケルビーノ役のスルサンドラ・ドノーセの歌も舞台を盛り上げました。 来シーズン、フィッシャーさんのウイーン国立歌劇場出演はは、9月末から11月1日までの、「薔薇の騎士」、「フィデリオ」、「ニーベルングの指輪」と、03年6月、プラシド・ドミンゴのお別れ公演、「アンドレア・シェニエ」のリバイバルが予定されています。 コンサート・レポートの先頭に戻る
2002年の幕開けはベートーベンの歓喜の歌
全ての人々が皆新通貨に不慣れで、ボックスオフィスの処理が間に合わないため、結局30分開演時間が遅れるというアクシデントがありましたが、演奏の方は第一楽章から集中したドラマチックに展開しました。特に合唱の入る第4楽章は圧巻で、新しいヨーロッパの旅立ちを祝うのに相応しい演奏でした。ブリュンヒルデのジェーン・カッセルマンや、「青髭公の城」のユディットや「薔薇の騎士」のオクタビアンで活躍したアンドレア・サントーなど、マンハイムの誇る優秀な歌手がソロを勤め、華やかなフィナーレで新年を祝いました。 コンサート・レポートの先頭に戻る |
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2009 Adam Fischer & Haydn Orchestra Fan Club
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